家族に迷惑をかけずに借金を減らす方法はありますか？

借金を減らし返済の負担を軽減する手段として、任意整理、個人再生、自己破産の３つが挙げられます。

任意整理であれば、基本的には家族に手間をかけることなく借金問題を解決することができます。

個人再生、自己破産については、債務者の方の状況によっては家族に影響を与えることなく進めることができます。

以下、それぞれについて詳しく説明します。

任意整理は、基本的には残債務の元金と和解日までの遅延損害金の合計額を、３～５年（３６～６０か月）で分割して返済できるようにする方法です。

完済までに発生する利息がカットできることが多いため、返済総額も減らすことができます。

また、任意整理の大きな特徴のひとつに、対象とする債権者を選ぶことができるというものがあります。

家族が連帯保証人となっている債務がある場合や、家族から借金をしている場合であっても、任意整理の対象から外すことで家族に迷惑をかけるのを避けることができます。

ただし、債務の金額や収入の状況からみて、個人再生や自己破産に方針変更をする可能性がある場合には、任意整理を選択すべきか否かを慎重に判断する必要があります。

任意整理に着手すると、対象となった債権者への支払いを停めることができます。

しかし、個人再生や自己破産においては、特定の債権者にのみ返済をしてしまうと、個人再生後の返済額が大きくなったり、自己破産における否認権行使の対象となるなどの悪影響が生じるためです。

個人再生は裁判所を通した債務整理の方法であり、債務総額を大幅に減額することができる可能性があります。

すべての債権者を対象としなければならない手続きですので、家族が連帯保証人になっている債務や、家族からの借金がない場合であれば、家族に影響が及ぶことを避けられます。

また、生計を同じくしている家族がいる場合には、家計に関する情報や給与に関する情報の提供をお願いしなければなりません。

自己破産も個人再生と同様に裁判所を通じた債務整理の方法であり、免責許可を受けることで債務の返済の義務を免れることができます。

こちらもすべての債権者を対象とする手続きですので、家族が連帯保証人になっている債務や、家族からの借金がある場合には家族を巻き込まざるを得なくなります。

また、生計を共にしている家族がいる場合、家計や収入に関する情報の提供をしてもらう必要があります。

そのほか、持ち家がある場合には失うことになることが原則ですので、場合によっては家族が引っ越し等をしなければならなくなります。