「任意整理」に関するお役立ち情報
個人事業主の方が任意整理をする場合
1 個人事業主の方も任意整理は可能です
個人事業主の方であっても、任意整理後の返済が可能と考えられる限りは、給与所得者(いわゆるサラリーマン)の方と同様に任意整理をすることはできます。
むしろ、任意整理は対象とする債権者を選ぶことができるという利点があるため、取引先などを対象から外すことで、信頼を失うことを回避できます(個人再生や自己破産に至る可能性が考えられる場合、一部の債権者のみを対象に任意整理をすることについては、慎重な検討が必要となります)。
以下、個人事業主の方の任意整理の流れと、任意整理の効果について説明します。
2 個人事業主の方の任意整理の流れ
任意整理をすると、基本的には残債務の元金、経過利息、および遅延損害金の合計額を、36~60か月(3~5年)間程度で分割して返済できるようになります。
月々の手取り収入から生活費や事業経費等を控除した残額(返済原資)が、任意整理後の想定返済額を上回っている場合、任意整理は可能です。
そこで、任意整理をする場合には、まずは家計簿や事業用の帳簿などを元に返済原資を算定する必要があります。
返済原資が算定できたら、債務額と比較し、任意整理後の月々の想定返済額が返済原資未満になるように最低分割回数を算定します。
その後、貸金業者等に対して、最低分割回数以上の分割回数での返済をしたい旨の提案をします。
交渉の結果、両者が合意できたら和解書を作成して任意整理は終了します。
3 任意整理の効果
任意整理の主な効果は次の2つです。
まず、任意整理をすると、通常であれば毎月の返済額を減らすことができます。
例えば、残債務の元金、経過利息等の合計額が120万円で毎月4万円を返済している方が、任意整理をして60回分割で返済できるようになると、毎月の返済額は2万円まで減ります。
次に、任意整理をすると、多くの場合返済総額を減らせます。
任意整理後に返済をするのは、残債務の元金と経過利息、遅延損害金の合計額ですので、完済までに発生する利息を支払わずに済みます。
任意整理をする前は高い利率に基づく利息を支払っていたことが多いことから、任意整理による返済総額の減額効果は大きいと考えられます。